書いた人:宮ねえ(広報の人)
こんにちは。この4月より、Zooops Japan(ズープス ジャパン)の広報担当になりました、宮ねえです(ミヤネじゃないよ)。 さて、7月23日(月)から27日(金)まで、総務省主導で行われた「テレワーク・デイズ」。皆さんもニュースなどで聞いたことがあるかもしれませんね。 「テレワーク・デイズ」とは、昨年から東京オリンピックの開会式にあたる7月24日を「テレワーク・デイ」として、総務省ほか各省庁と、東京都及び関係団体が連携して展開している取り組みですが、2回目となる今年、弊社も初めて参加いたしました。 今回は、実施に至った経緯から実際に「社員一斉テレワーク」を行った結果と、独自の取り組みとして行った「親子テレワーク」について、前編・後編に分けてご報告いたします!まずは、参加したきっかけについて話そう
弊社はIT企業ということもあり、PCとネットワーク環境さえあればどこででも仕事ができるという特性を活かして、北海道北見市と連携してテレワークの実証実験を行なったり出張時にはGoogleハングアウトで作業場所をつなぐなど、日ごろからテレワークを活用する機会が多い方でした(そうした活動が認められ、2017年には「テレワーク先駆者百選」(※)企業にも認定されました)。 ただ、そうした機会はあるものの、社員全員でテレワークを経験したことはなく、「社員の誰でも希望に応じてテレワークができる」といった環境までには程遠いのが現実。そこで、この「テレワーク・デイズ」を活用して、まずは「社員が一斉にテレワーク」を体験し、そこから「ズープスらしい働き方を考えてみよう!」と、代表・渡部が※総務省が、平成27年度からテレワークの導入・活用を進めている企業・団体を「テレワーク先駆者」とし、さらに十分な実績を持つと認めた企業のこと
実施してわかったこと: その1「多拠点における一斉テレワーク」
一斉テレワークでは、以下の条件で実施し終了後にアンケートに答えてもらうという方法で成果を図りました。■実施条件 ・実施日:2018年7月23日(月)~25日(水)のいずれか1日(代表と取締役の2名は3日間) ・参加者:17名(今回は、本社勤務の社員が対象) ・実施方法:東京本社、北海道サテライトオフィス、社員の自宅、その他などの多拠点間をGoogleハングアウトでつなぎ、通常業務を実施。 ・主な使用ツール:Googleハングアウト、slack、LINE
そして、以下のような結果を得ることができました。1.時間の使い方について
「通勤時間に該当する時間を有効活用できたか」「プライベートな時間の変化」について聞いたところ、いずれも9割近くが「活用できた/増えた」「どちらかと言うと活用できた/増えた」と回答しました。 具体的には、「通勤時間を家事などに充てることができた」「出退社にかかる準備がない分、他のことに時間を費やせた」「十分な睡眠や食事の時間をとることができた」など、通勤時間がなくなったことによるメリットが多く挙げられました。 「残業時間の変化」では、「減った」が37.5%、「変わらなかった」が62.5%で、「増えた」はありませんでした。 「変わらなかった」では、「業務量が変わらないため」「残業をしなければならない業務がなかった」とする一方、「減った」理由では、「無理に残る必要がないため」「業務後も雑談で業務の話をすることがあるが、それがなかったから」などが挙げられたことから、周囲に左右されずに業務をスムーズに終えられたことがわかりました。2.コミュニケーションのしやすさ
「しやすかった」「どちらかと言うとしやすかった」と回答した割合が25%だった一方、「変わらなかった」「どちらかと言うとしにくかった」がそれぞれ37.5%を占めたことから、日ごろと変わらないか、しづらかったと感じた人が多かったことがわかりました。 具体的には、「日ごろからチャットツールなどを利用しているため」「画面越しだが普段と変わらない感じだった」と感じた人がいる半面で、「マイクをミュートにしていたので他社員の状況がよくわからなかった」「ネットワークの不調で声が聞こえづらかったた」など、ハングアウトの使い方や作業環境によって、リアルタイムなコミュニケーションがしづらかったと感じた人が多くいたことがわかりました。また今回は、社員全員が同時接続を行ったため、「個人間のちょっとしたコミュニケーション(プライベートな話など)がしづらかった」といった声も聞かれました。3.作業効率の変化
「上がった」「どちらかと言うと上がった」と62.5%が回答した一方で、37.5%が「どちらかと言うと下がった」と回答しました。 前者では「別の仕事を頼まれたり質問を受けたりすることがなかったので、作業に集中できた」などが挙げられた一方、後者では「作業環境(PCやネットワークなど)が不安定だったため、パフォーマンスが落ちた」などが挙げられました。 一人で作業を行うことで集中力が高まり効率が上がったと感じた人が多くいた一方で、作業環境によって作業効率が下がったと感じた人も多いことがわかりました。4.モチベーションの変化
「上がった」が半数、「どちらかと言うと上がった」が25%と、7割以上が積極的に仕事に取り組めたと感じたことが分かりました。具体的には「通勤時間を有効に活用できたため」「集中して取り組めたことで、時間を有効に使えたと感じたから」など、時間が有効に使えた、作業に集中ができたなど、自分で状況をコントロールできたという感覚が、モチベーションに大きく影響しているのではないか、と考えられます。5.精神的・身体的負担の変化
「減った」「どちらかというと減った」と回答した割合が7割以上となりました。 具体的には、「通勤時間がないことでストレスが減ったため」「自宅のため心のゆとりが持てた」など、精神的な負担が軽減したと感じた人が多くいたことが分かりました。6.作業環境(PC、ネットワーク環境、ツール)について
PC、ネットワーク環境などの作業環境 「PC、ネットワーク環境などの作業環境」についてたずねたところ、「整っていた」「どちらかというと整っていた」が37.5%に対し、「どちらかというと不足していた」「不足していた」が62.5%と、作業環境に課題があることがわかりました。 具体的には、自宅などのネットワーク環境が十分でなかったりPCのスペックが低かったりなどで作業が捗らなかったという意見が多くみられました。また、「ノートパソコンを支給してほしい」と言った要望も聞かれました。 セキュリティについて 「安心して業務を遂行できた」「変わらなかった」が62,5%だった一方で、「どちらかという安心して業務を遂行できなかった」が37.5%という結果となりました。 「遂行できなかった」と感じた人では、「自宅や外出先のネットワークに接続する以上、万全とは言えない」と言ったものがあり、作業環境に対する不安が浮き彫りとなりました。7.家族の反応
一人暮らしの社員が多いためか「変わらなかった」が62.5%だった一方、家族と同居している社員では「良かった」が25%、「どちらかと言うと悪かった」が12.5%という結果となりました。 「良かった」と回答した意見では、「安否確認がすぐとれてよい」「朝晩に時間的な余裕を持てるのは助かると言われた」といったコメントがあった一方、「どちらかと言うと悪かった」と回答した意見では、「気を使われているように感じた」などが見られました。8.今後に向けて
テレワークを行ってよかったか 「良かった」が62.5%、「どちらかと言うと良かった」が37.5%と、全員が好意的に感じたことが分かりました。 特に、「ネットワーク環境が整っていれば、どこでも仕事ができると実感することができた」「貴重な体験ができてよかった」など、会社以外でも、環境が整っていれば普段とさほど変わらずに仕事ができると実感できた社員が多かったことが分かりました。 今後もテレワークを行っていきたいか 「行いたい」が75%、「どちらかと言うと行いたい」が12.5%と、9割近くが行っていきたいと答えました。 ただ、「週2日くらいは出社して、他の社員と直接コミュニケーションを図りたい」「たまに行うのがよい」といった意見から、ずっとテレワークを行うのではなく、出社との比率をバランスよく実施していくことが業務をよりよく進めていくポイントであることが分かりました。 テレワークをどのような場所で行いたいか(複数回答) 全員が「自宅・実家」、半数以上が「自社指定のサテライトオフィス」「共用サテライトオフィス」と回答しました。 どんな時にテレワークを行いたいか(自由回答) 「どんな時にテレワークを行いたいか」をたずねたところ、「悪天候や災害時など」といった通勤が困難な状況を挙げる意見があったほか、「顧客先へ訪問や打合せがない時で、個人作業のとき」など、一人で集中して作業を行いたい時などが挙げられました。まとめ
効果 「通勤時間に該当する時間を有効に使えた」「プライベートの時間が増えた」「ストレスが軽減した」など、通勤時間がなくなったことによるメリットを挙げる意見が多く見られた他、一人で作業を行うことで集中力が高まり、作業効率が上がったといった意見が見られました。また、外部の状況に左右されずに自分のペースで業務に当たれたという感覚が、モチベーションの向上に大きく影響していることも分かりました。 課題 「ネットワーク環境やPCと言った作業環境によって作業効率が落ちた」「セキュリティ面が不安」など、作業環境に対する課題が多く見られた他、「ちょっとしたコミュニケーションがとりづらかった」といったコミュニケーションに対する課題も見られました。また、作業場所として自宅を選択した場合は、あらかじめ家族へ説明を行うなど、周囲の理解が必要であるといった意見も見られました。 今後 「テレワークを行ってよかった」と全員が回答し、9割以上が「今後も行っていきたい」と回答したことから、社員にとってテレワークは有効な働き方の一方法であるということが分かりました。また今回は在宅勤務がほとんどでしたが、サテライトオフィスと言った外部施設でも実施したいといった意見も聞かれました。
ある程度は良好な反応を予想していましたが、こうして実際に結果を見ると、テレワークが社員の働きやすさやモチベーションの向上に有益な手段であり、今後も積極的に取り組むべき働き方であることがわかりました。 またそのためにスムーズに進めるための作業環境や運用ルールの整備が不可欠であるとわかったことも、大きな成果でした。 これらをもとに、今後は定期的な実施と課題改善ができるフローを作っていきたいと思います。 さて後編では、「親子テレワーク」を行った、代表・渡部のインタビューをお伝えします!